動力発生装置の基本 ~圧縮比~

排気量とボア×ストローク比についてなんとなく分かったら、ついでに圧縮比もお勉強しておきましょう。
この圧縮比というのも、よく主要諸元なんかに記載されていて目に留まりやすい数値ですから知っておくと損は無いですよ。

まぁ、普段のバイク話では滅多に圧縮比まで話が伸びることはそうそうないと思いますが、エンジンに詳しいレースを楽しむライダーや、バイク屋さんのメカニックからはちょこちょこ「圧縮比が……」なんて話になることがあったりもします。
そんなときに何のことを言っているか理解できていれば、話を聞く側としても楽しいと思います。

【燃焼室と圧縮比】

シリンダーの下死点から上死点までの容積空間をシリンダー容量、つまりは排気量と呼ぶのですが、このシリンダー容量の上には若干の空間が残っており、その空間は燃焼室と呼ばれています。
文字通り、燃焼が行われる場所です。

燃焼室の形状にはいくつかあり、球を半分にしたシンプルな半球型、複数の半球を組み合わせた多球型、三角形の屋根のような形をしたペントルーフ型などがあります。

燃焼室の形状により特徴は異なります。
半球型は燃焼室の面積を大きくとることができるために冷却効率に優れ、燃焼の圧力が均等に広がりやすい特徴を持っています。
多球型では半球型よりも圧縮比を高くできる特徴があります。
ペントルーフ型はプラグやバルブの配置に優れ、圧縮比も高めやすく、現在のガソリンエンジンの主流形式にもなっています。

さて、圧縮比はというと、先に述べたシリンダー容量と燃焼室の比率のことを呼び、どのくらいの圧縮で燃焼が起こっているかを知る数値となります。
主要諸元などでは「圧縮比10:1」もしくは「圧縮比10」などと表記されています。
ちなみに計算法は「(シリンダー容量+燃焼室容量)÷燃焼室容量」となっています。

圧縮比が高いと、燃焼効率が高まり、一般的には高出力型エンジンとなります。
しかし、圧縮比を上げすぎてしまうと混合気の温度上昇が過ぎてしまい、点火装置(スパークプラグ)の点火時期に関係なく混合気の自然発火が発生してしまいます。
この現象をエンジンノッキングと呼び、起きてしまうと逆にパワー低下を招くだけでなく、最悪の場合エンジンの故障原因にもなってしまいます。

基本的に4サイクルエンジン車両では、圧縮比は10前後に設定されており、2サイクルエンジン車両ではそれよりも低い設定が施されています。
また、レース向けの高性能車両は一般的より圧縮比が高い傾向にあります。